「身の丈」発言2019/11/09 12:27

「自分の身の丈に合わせて、頑張ってもらえば」。萩生田文部科学相は,2020年度から始まる大学入学共通テストでの英語民間試験の実施を前提としてそのように発言したのでしょう.民間業者の試験導入については,当初から教育格差を助長し教育の機会均等の理念に反するとの多くの指摘がなされていました.「身の丈」発言はどのように弁解しても,教育格差を是認したものと見られます.文部科学相としての認識が欠如していたと言えるでしょう,問題が大きくなり慌てて英語民間試験の導入延期を決めたようですが,受験生や社会を混乱させた責任は重い,どのように対処するのでしょうか.

英語民間試験の導入は貧富や地域による教育格差を助長する一因とも言えますが,より深刻なのは現在の教育システム全般が富める者と貧しいものとの間の教育格差が拡大していることです.今や教育基本法はすっかり忘れ去られております.此の現状をどう打開したら良いのでしょう.実は「自分の身の丈に合った」教育をとという発言を密かに同意する人々が少ながらずおります.したがって教育の機会均等を実現するには大きな困難が伴い革命的な教育改革を必要とするでしょう.
誰もが貧しかった戦後のある時期,教育基本法が教施行され教育の機会均等が実現しておりました.全国誰もが等しく良質の教育が施され,戦後のわが国の復興に多大の寄与をした多様な人材を数多く輩出しました.当時の教育の現場は活力に満ちていました.当時を振にり返れば,教育の機会均等が社会の発展に大きな役割を果たしたことをうかがい知ることが出来ます.現状を是認し富裕層の子弟のみが恵まれた教育を享受しているような状況をを転換しなければ,わが国の発展を担うべき多彩で屈強なそして人間味あふれる人材が枯渇してしまうでしょう.


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