急速回転性 目まい騒動 の一部始終 by 相原 ― 2010/12/06 13:33
仙台 相原です。
この間「回転数の高い目まい」に襲われたのです。
何か忙しいことがあって 目が回ったのではないのです。
起床時のひどい目まいのことなのです。
一瞬いよいよ脳にもガタが来たかと思ったのでしたが、その結末をお話しして、皆さん方の何かの参考になればと思い投稿してみます。
これまでは、脳に関わる問題は運命に任せる方針でありましたので、脳ドック受診はせずに参りましたが、図らずも同様の検査を受けることとなったのです。
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急速回転性 目まい騒動 の一部始終
相原 孝志
■ ひどい目まいの発症
あの長かった酷暑も過ぎた平成22年9月末 快晴らしい休日の朝、そろそろ起床しようかとベットの中でのこと、何か頭に異常があるような予感がする。横向きになったその時、これまでに経験したことのない凄い目まいが起きたのである。これまで立眩みや天井が廻る程度の目まいの経験はあったのだがそんなものではない、凄い急速回転性目まいなのである。さあいよいよ脳に異変が起きてしまったのだろうか、一瞬高齢化途中の身体機能低下がついに頭にもかと不安がよぎる。この目まいでこれからの生活にどんな影響が出てくるのだろうか、目が回るなか頭を廻す。病院へ行くにも取敢えず症状を確かめるべきと、まず色々体位を変えてみたのだが、仰向けないしはうつ伏せでは発症せず、横向きになってたちまち高速回転性目まいが発生し時間の経過とともに落着いていくのだが回転が止まることはない。立ち上がり座位となれば間もなく治まってしまう。回転方向は左から右なのかそれとも反対なのか、これがどうしても確かめられない。目まいと同時に冷や汗と吐き気の気配があったが、起床し立ち上がってみれば特段の問題はなくなってしまうのだった。
過去に同じようなことがなかったかと日記をめくってみて、半年前に軽度の目まいがあったとの記録を発見。4月初め「雪の富士と桜」を眺めようと出かけた旅先で起床時目まいがあり、三半規管不調かと自己診断した記録が残っていた。そのまま忘れていたのだが、今回のことと関連はどうか不明ではあるが全く無関係ではないようにも思える。
■ 脳神経内科受診
・診察のあらまし
発症翌日早速、脳専門病院 神経内科を受診。手足をはじめとして身体機能検査そして撮影時間3分程度のCT検査を受けた。身体機能検査では、眼球運動、瞳孔、三叉神経、顔面神経、聴力、嚥下障害などの脳神経系、筋力や歩行などの運動系、触覚、温度覚の感覚系などかなり多くの検査がされたのだが、診断結果は脳には特に異常はないようだ、耳からの可能性があるかもしれない、進行性はないだろうとの診断であった。ただ高齢化に伴なう動脈硬化の可能性確認のために、血管影像も得られるMR検査を勧められたのである。
・CT検査
CT検査(Computed Tomography コンピュータ断層撮影)とは、放射線を用いて物体を走査しコンピュータで処理し物体の内部画像を構成する技術である。この度のCT検査に当っては、病院側から原則として診察前にCT検査施行を勧めるとの話があり、やはり放射線被爆問題がいわれていることが背景にあるのだろう。これまでにも幾度かCT検査を受けたことがあったが、放射線被爆への認識が不十分だった。
・MR検査
MRI検査(Magnetic Resonance Imaging 磁気共鳴画像)とは、脳や脊髄を含む体内の状態を断面像として描写する検査であり、MRA(MR-Angiography 磁気共鳴血管撮影)は脳動脈瘤や脳動脈の硬化病変診断に有効な方法であるという。MR検査は、強い磁気と電波によって人体の断層像を撮影するのだが、その理屈とは磁場と電波とで体中の水素原子が共鳴し、電波を止めた後水素原子が出す微弱な電波によって画像を造るというのである。
・MR検査時の打撃音もどき騒音
MRIとMRA検査によって、脳と脳血管そして脊髄部の影像撮影がされたのだが、検査中かなりの騒音を経験した。無論耳栓装着での検査なのだが、初め安劇場の開幕ベル如き味気ないベル音が鳴動し、続いて道路工事のエアハンマーごとき連続音が周期的に聞こえる。それにしても頭の中の錆が落ちてしまうような大きな音ではあった。
検査開始前には身に着けている金属製品を外し、円筒形状装置の中に頭部を入れ磁場を掛けるのだろう。検査室は密室で出入口は銀行地下室の金庫室扉のようなゴツイ造りとなっている。操作技師から検査室内が見れるよう窓があり、こちらからも見通せるようになっている。異常発生時の連絡が取れる配慮がされているらしい。検査中頭部は固定され身動きできない状態が15分間程度続いた検査であった。
・CTとMR検査との対比
最近CT検査での放射線被爆が問題となっているようだ。わが国はCT大国だというのだが、人口当たり保有台数が世界一であり、国民一人当たりの検査件数も一番だというのである。このことはCT検査による放射線被爆も大きいということになるが、この検査で得られるメリットと被爆によるデメリットとを比較し、メリットの方がデメリットを上回る所謂「正当化の原則」に則ることが求められるということである。それぞれの検査方法には特徴があるものの、CT検査を代替出来る超音波やMR検査などとの比較が必要で、このことは専門家である医師が判断すべきことではあるが、受診者自身も十分留意すべきことである。放射線被爆がかなり大きいCT検査は慎重に行うべきだし、少なくも検査のし易さによるCT検査の多用は避けなければならないと思う。
・診断結果のあらまし
この度のCTならびにMR検査を終えて担当医の診断結果は、脳並びに脳内血管にも特別の異常はない。従って耳鼻科の診断を求めるべきかもしれぬが、今回のようなケースでは原因を特定できないことが多いという。言外に耳鼻科の診断は不要ではないかというように聞こえたのである。今後の対策は、これまで通り成人病対策を徹底させるべきだとのお達しであった。その背景には肥満防止対策の重要性があることを自覚してはいるのだが、実行し得るかどうかの覚悟が問われているということだろう。
・費用
CT検査を含む初診時費用は約2万円で、内画像診断料は14千円弱であるが、MRI+MRA検査は約19千円であった。ところでMRI+MRA検査後の医師の診断料は700円である。安いのではなかろうか。CTやMRのハード利用料と医師の診断料との格差は大きすぎると感じたのである。
■ 目まい騒動が治まり思うこと
この度のひどい目眩の原因は、脳機能不調によるものではないことがはっきりした。更に脳内断面像もほぼ正常であり脳動脈瘤や脳動脈硬化病変もないことから、目まいの原因だけではなく脳自体の健康度を確認できたことは大変嬉しいことであった。以前物が二重に見えたり目まいやしびれがある場合、動脈瘤が神経を圧迫している可能性があるという話を聞いたことがあったからである。
またこれまでは、脳内に異変有と診断された場合、その処置は高リスクとなるだけに余計な検査はせず成行きに任せ自然体で対処しようと覚悟し、これまで脳ドックは受診してこなかった。結局この度の目まい発症による診察で脳ドック同様の検査をすることとなってしまったのだが、肝心な脳であるだけに問題無しとなって一安心したのである。
更に、これを機会に色々考えておくべきことに気付いたことも大きな収穫であった。それは高齢化に伴なう身体の機能低下、特に平衡感覚や運動機能の低下が進むだろうことに注意していかなければならないが、これらの機能低下で起こる身のサバキ方不十分による事故防止に心掛けていかなければなるまいということである。そして三半規管機能の状況にも注意していくべきだし重度の目まいの再発あるべしと用心しておくこともあろう、また服用錠剤からの副作用にも気を配っていかなければならない。無論CT検査による放射線被爆にも注意しなければならないしと色々気付いたことが多い。
結局この度の目まい騒動は、後期高齢者の仲間入りを契機に体から受取った挨拶と警告であると受取っておくこととしよう。
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